助成応募開始とCBD-COP10のこと 


事務局の菅波です。

昨日から、来年度の国内枠の助成応募受付を開始しました。

期間は12月10日までですので、慌てる必要はありません。
高木基金では、応募書類ができあがる前の段階での「事前相談」も受け付けてい
ますので、積極的に活用して下さい。


さて、先日、古本屋で、別役実氏の「当世 悪魔の辞典」なる本を見つけました。
「悪魔の辞典」ですし、別役氏ですから、人を食ったような話が多いのですが、
【下宿】の項に、なるほどと思いました。

「辞典」にはこうあります。

 【下宿】最近になって、我々は地球の下宿人に過ぎないことがわかった。
     しかも、どうやって払えばいいのかわからないほど、
     下宿代を滞納している。

「最近になって、・・・わかった」と言うことですが、この「辞典」は、1991年
3月に出版されています。その当時から、すでに20年が経っているのですが、実は
まだ理解が浸透していないのか、あるいはその理解が風化してしまったのではな
いか、という気がします。

先日まで名古屋で開催されていた生物多様性条約(CBD)COP10では、遺伝子
資源から得られる利益を、途上国と先進国でどのように配分するかということが
争点になりましたが、我々が下宿人であることを自覚すれば、本来、下宿代の
割り勘計算の話が先のはずです。

しかも、途上国側からは、大航海時代にさかのぼって、先進国が享受した利益も
含めて配分を議論するように求める声がありました。

菅波としては、先進国側が途上国側にしかるべく利益を配分することは必要だと
思いますが、昔のことを持ち出すとしたら、むしろ考えるべきは、将来の世代
から、「我々も当然に利用できたはずの資源を先に使ってしまったことについて
の補償」を求められたら、どうするのか、ということではないでしょうか。

菅波は、諫早湾などの干潟保全に10年以上関わっており、今回のCBD-COP10でも、
生物多様性の宝庫である重要湿地の保全を国際的に促進するための取り組みとし
て、NGOの国際会議を企画したり、関係するサイドイベントに参加したりと
いった活動をしてきました。

報道では、遺伝子資源の配分をめぐる途上国と先進国の「対立」が、必要以上に
クローズアップされていたような気がしますが、生物多様性の恩恵をどう配分
するのかという議論は、生物多様性が維持され、その恩恵を享受できていれば
こそです。

特に、安全な淡水の確保や、基本的な食料生産の基盤を維持するため、現在も
進行している生物多様性の劣化に歯止めをかけることは、まさに死活問題です。

そのことは、COP10の参加者の多くは共通認識を持っていますが、一般の我々が
その点をより強く認識し、生物多様性に関する危機感(=下宿人としての自覚)
をあらためる必要があるというのが、一番大切なことだと思っています。

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