日経社説 その後 


一つ前の記事(サハリン問題での日経社説批判)の続編です。

この件について、ブログに書いただけでは相手に伝わるわけがありませ
んので、日経新聞に直接送ろうと思い、日経のHPで、紙面への意見を
受け付ける窓口がないか、探してみました。本当はどこかにあったのか
も知れませんが、見つからなかったので、「お問い合わせ」の頁
(https://sch.nikkei.co.jp/nikkeinet/)から質問してみました。

小生からの質問は(正確な表現を控えておかなかったのですが)、「本日
の社説について、意見をお送りしたいので、窓口をお知らせ下さい。なお、
下記のアドレスに掲載しておりますので、よろしければ直接ご覧下さい。」
として、この記事のアドレスも明記しておきました。

先ほど、早速返事が来たのですが、案の定、郵便で送ってこい、という
ものでした。
これは、気が利かないとか、サービス精神にかける、と言うことではなく、
嫌われたと言うことなのでしょう。しかし、この程度の批判意見なら、
「承知しました。ありがとうございました。」と返事をしておけば、あと
は握りつぶそうがどうしようが、それは日経側の自由ではないですか。
結局、こちらからの(つまらない)批判意見を、もう一度文書で受け付け
ることになるのですから、二度手間になるのは日経側も同じです。
もうちょっとスマートに対応してくれた方がお互いのためだという気が
しますが・・・。

参考までに、日経側からの返信を紹介します。

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菅波 完 さま

日本経済新聞をご購読いただき、ありがとうございます。

お問い合わせの社説に対する御意見は、
東京本社論説員会あてに郵便でお送りください。

住所は
〒100-8066
 東京都千代田区大手町1-9-5
です。

よろしくお願いいたします。


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日本経済新聞社
編集局 読者応答センター

→ この下に住所と電話番号がありましたが割愛しました。

日経新聞にコンプライアンスを語る資格はあるか。サハリン開発混乱の張本人は誰か。  

 今年2月、建築確認検査後に身障者用の客室を一般客室に改造していた
という不正が発覚したビジネスホテルチェーン東横インの西田憲正社長は
「制限速度60キロの道を67~68キロで走っても、まあいいかと思った」
とのべ、マスコミにもつるし上げられ、世間の大ひんしゅくを買った。
 目先の利潤に目がくらんだ企業人の見識とは、この程度のものでしかな
いという見本のような事件だったが、本日9月25日付の社説で、日経新聞も
不見識をさらけ出している。

 「ロシアはサハリン開発を混乱させるな」と題した社説は、

「パイプラインの工事の一部で環境保全に問題があったことは、事業者側
 も認めており、一部で自主的に工事を中止し、手直しも始めている、と
 いう。厳しい自然環境の中での800キロメートルにも及ぶ工事だけに、
 どんなに気を配っても問題が生じることはあろう。重要なのは自然破壊
 があれば真摯(しんし)に修復していくことである。」

「そうした点で、サハリン2の事業者側がロシアに対し不誠実な対応をとっ
 ているようには見えない。問題箇所の工事中止は当然としても全体を中
 止させる理由は見あたらない。パイプラインはすでに八割近く完成して
 おり、この段階になって全体を問題視するのも理解できない。」

と主張しているのである。
 日経新聞としては、国際的なエネルギー開発事業の上では、環境破壊な
ど、取るに足らない問題であり、適当に修復しておけばそれでよい、とい
う考えのようだ。サハリンの生態系の重要性を全く理解せず、ダメージの
程度について、何ら評価を加えず(おそらく確認もせず)、この様な主張
を展開するとは何事か。しかも、問題は、事業者であるサハリンエナジー
社の工事に関わる環境法違反であり、それに基づく事業認可の取り消しで
ある。企業のコンプライアンス(法令遵守)違反に対し、行政当局が厳し
い対処をするのは当然ではないか。日経新聞は、常日頃、企業の社会貢献
やCSRを推奨しているにもかかわらず、なぜ、この様な大規模かつ深刻
なコンプライアンス違反に対して、これほど甘い態度なのか。巨大なエネ
ルギー開発事業だからか。だとすれば、事業による環境破壊への無理解で
あり不見識である。結局、日経の社説も東横インの社長と同じレベルとい
うことなる。

 サハリン2における、環境アセスメントや環境保全対策が極めてずさん
だということは、猛禽類や海棲ほ乳類などの研究者や、WWFなどの自然
保護団体が、従来から指摘してきたことである。高木基金としても、現地
で継続的にモニタリングを実施し、まさに事業が環境法に違反しているこ
とをアピールしてきたNGO「サハリン環境ウォッチ」を助成してきた。
国内でも、現地の調査を行っている研究者やFoEジャパンが中心となり、
この様な大規模環境破壊に、JBIC等の開発金融機関が融資を通じて荷
担しないように提言を行ってきた。
 地球的な環境保全の立場に経てば、サハリン開発は、いつ事業が全面的
に中止されても驚くに値しないほど、大きな環境破壊リスクをはらんだ事
業である。一部で重大な環境法違反があれば、他にも違反があるに違いな
いと考えるのが自然である。むしろ、日経新聞が、すでに開発がほとんど
進んでいるかのような印象を醸し出していることに、悪質なものを感じる。
サハリン開発は、現在のサハリン2で終わるわけではなく、サハリン6ま
で、6次にわたる開発が計画されている。大局的に見れば、現段階で事業
を中断し、環境への影響を再検討することは極めて妥当なことではないか。
その様な考え方ができないとすれば、目先の開発利益に目がくらんでいる
との誹りを免れることはできない。
 日経新聞に限らず、今回、ロシア政府がサハリン2の事業認可を取り消
したことについての報道は、外国資本中心に進められているエネルギー開
発事業に、国営企業を参入させたいというロシア政府が、環境問題を「口
実」にしているだけだ、と言う論調が目立つ。(環境保護サイドに、素直
に喜べないという声があるのも事実。)しかし、この様なずさんな開発が
ここまで進められてきたことを問題視し、責任を追及する主張がほとんど
見受けられないのは、マスコミ全般の意識の問題としてゆゆしき状況であ
る。
 開発事業が公益を目的としたものであることは理解するが、それだけで
環境破壊が大目に見てもらえるような時代はもう終わったのである。サハ
リン開発を混乱させている張本人は、これまでもNGOなどからの再三に
わたる指摘を無視し、開発事業を進めてきたサハリンエナジー社であるこ
とを、曖昧にしてはならない。そして、開発主体にロシア政府が算入する
にせよ、しないにせよ、この機会に、これまで問題提起をしてきた研究者
やNGOなどにも開かれた場で、事業の環境影響を抜本的に見直すこと無
しに、サハリン2の工事を再開すべきではない、ということを強く主張す
るものである。    (高木仁三郎市民科学基金 事務局 菅波 完)

なお、パイプライン工事現場の状況に関するサハリン環境ウォッチの
レポートが次のアドレスからダウンロードでできます。
http://www.bankwatch.org/documents/photo_report_21_06_19_07_2006_2.pdf

高レベル廃棄物処分場誘致の動き! 

原子力資料情報室の澤井さんからの情報です。

高知県の東洋町(徳島県との県境に近い太平洋に面した町です)が
高レベル放射性廃棄物の処分場に立候補する動きを見せています。
これに対するアクションの呼びかけですので、ぜひご協力下さい。

また、この件については、橋本大二郎高知県知事が、
「札びらをばらまく原子力政策はやめるべきだ」
「こんな政府や国のかたちでいいのか、県民一人一人が意思表示すべき時にきている」
と実に筋の通った発言をしていますので、こちらもぜひご覧下さい。
(高知新聞 2006年09月14日 夕刊 http://www.kochinews.co.jp/0609/060914evening01.htm#shimen1 )

【澤井さんからの情報 ここから】=================

澤井@CNICです。
以下転送大歓迎です!

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■みなさまへ緊急のお知らせです
今夕、高知県安芸郡東洋町の議会関係者から、「10月上旬にも高レベル処分
場に応募する予定」との情報が入りました。
  情報によりますと、昨日、町長ら町執行部と議会(議員10人中9人席)
とで高レベル誘致の会がもたれました。決まった要旨は ①9月末に住民代表
に説明する。(町長・原環機構) ②10月上旬に町内2カ所で説明会を開催
(町長・原環機構) ③その後「応募」する。 ④「学習会の開催」(賛否) 
というものです。なお「応募」しても、いつでも引き返せる。との考えのよう
です。

さてみなさまに緊急の御願いですが、東洋町町長と町議会議長に緊急の「応募
中止」の要請を御願いいたします。またこのメールを転送して広げてくださ
い。
住所は
  〒781-7414
     高知県安芸郡東洋町生見758-3
                 東洋町役場
   電話 0887-29-3111
fax  0887-29-3813
Eメール HPの総務課あて

■東洋町URL
http://www.town.toyo.kochi.jp/joho/html/index.htm

■ご意見受付アドレス(総務課 or 企画商工課)
http://www.town.toyo.kochi.jp/joho/html/category.htm


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職員募集>藤前干潟 


藤前干潟を守る会の辻さんから、職員募集の情報です。

藤前干潟には、かつて埋立計画がありましたが、その環境アセスの
いい加減さを厳しく指摘し、最終的に、計画の中止に追い込む武器
となったのが、藤前干潟を守る会の方たちの地道な調査活動でした。
当時、辻さんがよくおっしゃっていたのが「市民の科学を、専門家
が支えた。」という言葉でした。
小生(菅波)にとって、「市民の科学」という言葉を耳にしたのは、
それがはじめてのことで、新鮮で力強い印象を受けたことを今でも
覚えています。

藤前干潟を守る会は、高木基金の直接の助成先ではありませんが、
市民科学を実践する有力なグループとして、この場で紹介させて
いただきます。


【辻さんからの情報 ここから】===============


みなさま

辻 淳夫@藤前干潟を守る会です

NPO法人 藤前干潟を守る会では、昨年3月27日のオープン以来、
環境省センター施設の維持管理業務を請け負ってきましたが、今年度
9月―3月は、企画競争入札方式によって、請負受託がきまりました。

新規契約では、専門的能力を要する環境学習業務が仕様書に加わり
しかし、契約金は昨年並に抑えられたままで、勤務者にも、当法人にも
とても厳しい状況ですが、当法人に寄せられている社会的な期待に応え
ていくために、あえて、この仕事を引きうけていこうと決めました。

ついては、センターの維持管理運営を充実させ、前向きに進めるために
この際、あたらしい勤務者の公募をすることにしました。

当法人としては、法人の理念に共感していただけ、藤前干潟の保全と
活用、環境学習に関心がある意欲的な人を迎えたく、以下の条件で
公募しますので、お知り合いに心当たりの方がいらしたら、ぜひ
ご紹介ください。


雇用者:NPO法人 藤前干潟を守る会
勤務地:環境省施設、ラムサール条約湿地藤前干潟・藤前活動センター

勤務時間:8時45分ー16時45分(実働7時間)。
     休日(休館日):月曜、第3水曜休み、年末年始
給与:時給1000円、交通費実費支給(限度あり)、
法定福利制度(社会保険・雇用労災保険、有給休暇)あり。

条件:藤前干潟の保全活用、環境学習に関心がある、意欲的な人、
   週5日以上勤務できる方、
   基本的なパソコン操作(ワード、エクセルなど)のできる方、
   契約期間10月から来年3月(契約更新継続予定)、
   当初一ヶ月は研修期間とする。


仕事の内容:来訪者受付、施設利用申込み対応、施設の開閉、清掃維持管理、
   団体解説、展示の企画実施、環境学習案内、情報収集、連絡報告など

応募締め切り:平成18年9月25日(月)
応募される方には、履歴書と応募する動機、抱負などを提出してください。
面談の上、採否を決めさせていただきます。
勤務開始日は、ご事情により相談いたします。

希望者は、辻までご連絡ください。
当法人の定款、センター維持管理運営業務の仕様書、企画書をお送りします。

以上、よろしくおねがいします。


辻 淳夫@NPO法人 藤前干潟を守る会
atsuo_t@yk.commufa.jp
http://www.fujimae.org


内容が良かっただけに・・・カネミ油症の研究会 

本日(9/16)「カネミ油症被害者支援センターのとりくみに学ぶ」と
題して、小規模な研究会を行いました。

これまでの成果報告会などでは、助成研究の報告の時間が限られて
おり、助成先のみなさんに、話したいことを十分話していただくこと
ができていなかったという反省から、今回は、この問題だけで3時間
かけて報告と意見交換を行いました。

その意味では、非常に内容の濃い話ができました。事務局としても
大変勉強になりましたし、報告をしてくださったカネミ油症被害者
支援センター(YSC)のみなさんからも、「良かった」と言って
いただきました。

内容については、あらためて詳しくホームページなどで報告します
が、YSCの報告の中では、高木基金からの助成金(2年度にわたり
合計210万円)が本当に役に立った、という言葉を何度もうかがい
ました。その言葉は、高木基金の支援者の方へのお礼の言葉ですので
まずはこの場でお伝えしたいと思います。

その上で・・・
報告会の中で、小生が聞こう聞こうと思っていて、時間切れになって
しまったことを、その後の飲み会で聞きました。

「高木基金の助成金は210万円でしたが、YSCのみなさんが自腹
 で払っている額は、それよりはるかに多いのではないですか?」

YSCの方も、よくぞ聞いてくれた、という感じでしたが、やはり、
メンバーの方が何人も五島列島や、あるいは海外での国際会議に
参加するために自己負担している額は、全部あわせると、助成金の
何倍もの金額になるということでした。

「それでも高木基金が認めてくれたということが、本当に励みになり
ました。」とも言ってくださり、これは本当に助成基金冥利に尽きる
としか言いようがありません。


研究会の中で、代表理事の河合弁護士が「高木基金をやって本当に
良かったと、今日あらためて思いました。」と述べましたが、まさに
今回のYSCのみなさんのとりくみは、この様な問題を国や公的な
研究組織などに任せておいてはダメなんだと言うことを明らかにし、
市民科学の可能性を示すものだと言えると思います。

今日の研究会は、事務局の広報不足で、参加者は少なかったですが、
その中身は本当に重要なものだったと思いますので、近日中にきちん
とした報告を作成しますのでご期待下さい。

9/16(土) カネミ油症の研究会 

下記の通り、カネミ油症被害者支援センターの助成研究の報告会を
開催いたします。

これまでの成果報告会では、報告の時間が限られていましたが、
今回はテーマを絞って、じっくり報告を聞き、質疑や意見交換にも
たっぷり時間をとりたいと思いますので、ぜひご参加下さい。

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  9/16(土) 高木基金 市民科学研究会
 「カネミ油症被害者支援センターのとりくみに学ぶ」

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  日  時 9月16日(土) 14:00~17:00

場  所 主婦会館プラザエフ3階 主婦連合会会議室
  東京都千代田区六番町15番地
  JR四谷駅 麹町口の東側に見える建物です

  参 加 費 無  料

内  容  カネミ油症被害者支援センターの報告+
  ディスカッション
 
申し込み 会場準備のため、参加ご希望の方は、事前に
      お申し込みをお願いします。
      E-MAIL または FAXにて、氏名・連絡先・人数
および「カネミ油症研究会参加希望」と明記し
9/14(木)までにお送り下さい。

 E-MAIL  info@takagifund.org FAX 03-3358-7064
       

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 カネミ油症は、1968年前後に西日本を中心に発生した食中毒事件
です。食用油に混入したPCB等のダイオキシン類を、多数の人が直接
食べたことにより重大な健康被害が発生しました。特に、妊娠中、授
乳中の母親から胎児、乳児へも被害が及んだことが、被害を一層深刻
なものにしました。しかし、事件発生から30年以上が経しても、国に
よる被害実態の調査、被害者救済対策は極めて不十分なままで、被害
者の高齢化などもあり、支援の運動も様々な問題に直面していました。
 その中で、今年4月、日弁連がカネミ油症被害者の訴えを認め、人
権救済を求める勧告を行い、国会では被害者救済法案の検討が本格化
するなど、カネミ油症の問題が、あらためて大きな転換点を迎えつつ
あります。
 この動きの中では、高木基金が助成した、「カネミ油症被害者支援
センター」による被害患者の聞き取り調査などが、被害の実像を浮き
彫りにする貴重な役割を果たしました。
 「カネミ油症被害者支援センター」は、一般市民がボランティア的
に活動しているグループであり、カネミ油症の問題においては、比較
的新しい支援者グループです。
 なぜ、その様な一般市民の調査活動が、歴史のある運動の中で役割
を果たすことができたのか。その点を学ぶことは、他の問題に関わる
市民グループや、これから環境問題などに関わっていこうという若い
学生・院生の方などにも大いに参考になるものだと考えていますので
ぜひ、様々な立場の方のご参加を期待しております。